コマラ(コリマ州)
コマラ中心街
その広場の輝きは何故そこが”アメリカの白い街”と呼ばれるのかをすぐに分からせてくれるだろう。あなたの訪問はまるで本のページをめくるようにゆっくりと、楽しく、記憶に残るものになるだろう。あなたはオーガニックコーヒが満たされたカップや、装飾的な赤い瓦をのせたその白い家々で、輝くブーゲンビリアが際立つ石畳の街並みを楽しむだろう。ゆっくりとアシエンダで眠り、おそらくは国中で一番の思い出に残る旅となるだろう。
このプエブロ・マヒコにはサン・アントニオ・アシエンダがあり、カリサリージョ湖を散策する前にふらっと訪れて朝食を食べることもできる。1日を田舎で過ごす理想的なアイデアの一つだ。
コマラのすぐ近くに位置するスチトランはナワトルの伝統を感じられる魅力的な区域だ。木でできた特徴のあるお面を見て歩いたり、コリマの火山を見ながら石畳を堪能できる理想的な場所だ。
コマラは活火山の麓に位置するうえに類を見ない魅力的な場所にある。狭い路地、赤い瓦と濃い緑に囲まれたシンプルだが魅力的な白い家が特徴的だ。
見どころ
街の中心にある庭園を行くと噴水や装飾的鉄製のベンチ、ドイツ風のデザインのキオスコを見ることができる。堂々としたコリマ火山を背景に恋人たちにとっては絶景の撮影スポットになるし、20世紀を象徴する小説ペドロ・パラモを著したフアン・ルルフォの像の隣にただ座るだけでもいい。
ため息の出るようなサン・ミゲル・アルカンヘル教区教会は19世紀初めに建てられ、エレガントなネオクラシックのフランス式の様相が特徴的でまさに宝と言えるだろう。コマラ庁舎を見つつ、有名なボタナ(おつまみ)を食べにアーケードまで歩こう。石畳の路地を歩きながら地元の人と言葉を交わし、その歴史と伝説を聞いてみよう。
ノゲラは昔、アフチトランの先住民の人口が集中していたところであり、後の17世紀に建てられた旧ノゲラ・アシエンダでは砂糖の精製方法について知ることができる。アレハンドロ・ランヘル大学博物館へ行けばこの有名な画家と、タイミングによっては西洋のプレイスパニカ文化展があるホールへと行けるだろう。この建物はオリジナルの完璧な状態で保存されている部分と礼拝堂や煙突など再建築された部分で構成されている。
また、民芸品市場ではマホガニーやウォルナットからできた伝統舞踊に使うお面や家具を見ることができる。コリマのヤシの木を利用した帽子、カゴ、コマルもいいお土産になる。
美味しいもの発見
この地域伝統のピコンという菓子パンと香り立つコーヒー、もしくはメスカルか赤ワインをベースにはちみつや黒糖で甘みを加えたグラナダのポンチェがハズレなく美味しい。ここでしか飲めないものを望むならコリマ産の地ビール、特にティクスという黒ビールがおすすめだ。街角ではピーナツがアクセントになったトゥバと呼ばれるグラナダ風味でかすかに発酵したジュースが簡単に手に入る。
フレッシュなチーズとアーモンドのケーキも買ってみるといい。美味で世界的に有名なコリマの塩を一袋とコマルテコ・コーヒーをお土産にするのもいいだろう。
コマラはコマルを作る街もしくはコマルの街と言う意味で、ナワトル語のコマリ(平らで薄く円形の什器)に由来する。ぜひコマルで調理されたボタナ(つまみ)、タテマード(焼き物)を食べておこう。
コリマ火山を制覇しよう
エル・ボルカン・デ・フエゴ(火の火山)は現在活動しているものの一つで、グアダラハラとコリマの中間に位置する。この熱い巨人に昇ればその強さを目の当たりにするだろう。
40分ほど歩く間、熱い空気があっという間に山林の寒さに変わり、その違いを経験できる。
この地が提供してくれるハードなスポーツを体験しよう。木々の枝の間を飛ぶジップスライダーをしたり馬に乗ってトレッキングすることもできる。プロのギアに頼んで歩いて標高3,860mを歩いて登ることも。噴火口からの景色に感嘆し、火山地帯を足で感じよう。
いくつかの場所では軽食を取ったり他の旅行者とおしゃべりをしたり、この忘れられない経験の印象を意見交換するひと時をイスとテーブルがあるキャンプ場で楽しむこともできる。
サクアルパンの泉で潜る
サクアルパンはコマラ自治区にある集落の一つ。セロ・グランデの麓にあり、ボルカン・デ・フエゴ火山からの砂と岩の堆積により囲まれている場所だ。生い茂ったスギ科の木々(オアハカのトゥーレの木と同じ木)や葉の間からサクアルパンの目と呼ばれる泉が見える。
この澄んだ水の中に飛び込むとカラフルな魚が足をくすぐる。地熱で温泉のように心地いい温度だ。水を飲んでリフレッシュしよう。サクアルパンの目の周りを歩いたり、マウンテンバイクを操って入り組んだ小道を駆け抜けよう。馬に乗って小道を登り、セロ・グランデの景色と緑、エキゾチックな鳥を見て楽しもう。
アルメリア川周辺で1日を過ごすなら手長エビの漁を見るといい。断崖の高さを見ればきっと驚くはず。
サクアルパンの一日を楽しんだら、地元の人と会話をしてその集落の歴史を聞くといい。民芸品の工房を訪れれば見事な刺繍を見ることもできる。
コマラのイベント
最も重要なコマラの祭りは12月12日 聖母グアダルーペの日だ。プロセシオン(宗教上の行列)と闘牛、ロデオ、闘鶏が開催される。また、寓意的な車の行列や花火も盛られる。コマラの祭りでは女性がコリマ先住民の伝統衣装を身に着けるのが慣習だ。またそれはロデオやその地域の最も美しい馬を選考するイベント、ラ・カハで行われる5月15日”カバージョス・エン・ペロ”という馬のレース等のイベントでは祭りを構成する一部となっている。その他大事な祭りとしては2月2日にスチトランで行われる聖サンチアゴの祭りカンデラリアと1月25日のサクアルパの祭りがある。
コマラの他の見どころ
エル・チャナル:遺跡
サン・ガブリエル:洞窟
カリサリージョ湖:美しい山と田舎風の景観の中に位置するこの湖では、湖の周りを散策するために馬をレンタルすることができ、オオクチバスを釣ったりキャンプをすることもできる。ロケーションはコマラから北へ18kmで、レストラン、食堂、ホテルと24時間警備がついている。
ラ・マリーナ湖:この湖ではボートと魚釣りが楽しめる。牧場と食堂、それにキャンプの設備、レストランと警備の施設がある。コマラから北へ22kmほどの場所だ。
エル・レマテ:断崖エル・レマテの川から注がれるコリマの第一水力発電があるため池。ボートで周囲の山々の景色を見ることができ、キャンプもできる。コマラの北西14kmに位置し、レストラン、食堂、技術博物館があり、エル・レマテの旧式の水力発電について知ることができる。
スチトラン:この小さな地域でもっとも興味深いいくつかの民芸品に出会うことができ、竹やヨシの織物や大小のカゴ、編んだ椅子、世界的にも知名度のある木のお面を見ることができる。コマラから10分ほど行ったところにある。
ネバード・デ・コリマ国定公園:コリマで最も重要な環境保護地域で、オルタナティブ・ツーリズム(サスティナブル・ツーリズム)を体験できる。コマラから北へ20kmのどのところにあり、ハリスコ州のシウダー・デ・グズマンからもアクセスが可能だ。
コマラへの行き方
コマラはコリマ州の中心地から州のバイパスを通って8kmほどの場所にある。グアダラハラからコリマまでは日に何本も出ている約3時間半の高速バスが安くて便利だ。
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出典、協力:
ビシット・メヒコ(翻訳・加筆)
プエブロス・デ・メヒコ・マヒコス(翻訳・加筆)
※海外に渡航する際は十分に安全を確保してください!
外務省海外安全ホームページ
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メキシコ屋のコーヒー生豆 シエラ・マナントランの農場とプラントレポート(2016)
シエラ・マナントランの採れる農場
プエブロマヒコではないのですが、この農場はコマラと同じコリマ州にあります。
コリマ州はメキシコの西側中央部にある、秋田県の半分くらいの広さの州です。
そのうちの一つの自治体マナントランの標高1050mから上に昇る農園でシエラ・マナントランは栽培されています。
シエラ・マナントランはまた、植物自然保護区に指定されている山 (Reserva de la Biosfera Sierra Manantlan) でもあります。
写真は農場のある山のふもとの登り始めです。
車を降りたところ(それ以上は車では入れない山道です。)に天然の蘭が自生していました。
完全に山の中です。
2015年10月のハリケーン・パトリシアの跡が残ってますが、それ以前から車では最後まで入れないので、農園まで歩いて登ります。
収穫時は馬で降ろしています。
ここは水源地でもあります。
こちらはため池です。
コーヒーの農園でも水が湧いていますがある程度の量を確保するため、ため池を作ってポンプで農園まで吸い上げて使っています。
金網の柵を越えて、私有地に入ります。
どんどん歩きます。
標高1050mあたりです。
地面がほぼコーヒーの枯葉で埋め尽くされています。
ところどころに新しいコーヒーの木が芽を出しているのも見えます。
この時期(2016年4月19日)は実もついていないし、コーヒーの木を知らない人にはただの山にしか見えません。
(実際私もそうでした。)
奥の方に見えるのも全部コーヒーの木の芽です。
本当に自然にあるままの状態で、化学肥料は一切使っていません。
標高1200m位まで登りました。
まだ上にもあるそうですが、ここら辺はもうコーヒーの木しか見えません。
今年の収穫期はもう終わっていますが、少しだけ実が残っていました。
メキシコではスイートコーヒーと言うそうで、薄い果肉がほんのりと甘かったです。
農場はこんな感じです。ほんとに「山」ですね。
シエラ・マナントラン のプラント
まずは主なメンバーの紹介です。
プラントの責任者、ホセ・ヘルマン・グティエレス・アブリカ(写真右端)さん。
彼は持続可能な環境・科学・管理プロジェクト(直訳)のコーディネーターで、簡単に言うと本気のエコロジスタです。
現在コーヒープラントの他に、企業が開発する山野から、そこに住む生物たちを開発前に移動させる仕事もしています。
写真右から2 番目はフアン・カルロス・ロメロさん。
生物学者でヘルマンとオスカルのサポートをしています。
写真左端はカルロス・ジェイク・メイジョンさん。
私のサポートもしてくれています。本業はプロテニスプレーヤーですが、マーケッターとして参加しています。
写真左から2 番目はオスカル・イバラさん。
農業を母体に農産物の国内販売・輸出をしており、シエラ・マナントランの輸出担当をしています。
こちらは生産者・農園主のホセフィナ・アヤラ・バスケス(写真左)さん。
シエラ・マナントランの責任者であるヘルマンのお婆ちゃんです。
すでに80 歳をすぎているちっちゃくてかわいいお婆様ですが、まだ現役で収穫作業をしています。
もちろん、彼女一人で収穫しているわけではなく、収穫時には近所の人を雇って収穫しています。
生産工程について
プロセスはフリーウォッシュド(水はリサイクルしています)と、乾燥(天日乾燥。水は全く使用していません)の2 種類。
写真はフリーウォッシュドの殻つきの状態です。
コーヒープラントについて
ヘルマンのお婆ちゃんの農園の年間生産量は3t(殻つきの状態)。
そのうち乾燥タイプは全体の1 割程度で残りはフリーウォッシュドにしています。
11月〜1月の収穫期の間に9割に買い手が付きます。
※生豆を輸出する時はこのままだと傷んでしまうため、包装が変わります。
焙煎なしの場合の賞味期限(おいしく飲めるおススメ期間)は、殻つきで2 年くらい、殻ナシで3 か月くらいだそうです。
結構短いですね。
写真は殻を取り除く機械。
こちらは粒の大きさの選別機。
殻を取り除いた後に選別します。
焙煎も浅煎り・中間・深煎りができます。(200度の温風で煎ります。)
直火タイプよりも温風のほうが均一に焙煎できるということで、最近入れ替えたそうです。
フリーウォッシュドタイプの生産工程における環境配慮・排水のリサイクル方法について
・水は通常通り使い、外皮と果肉を取った後、その排水とコーヒー豆を洗ったすべての排水と合わせて地面にまきます。水分は地下に浸み込み、また下流で湧水となって出てきます。
・残った有機物はそのままでは腐敗してまわりの木にも影響してしまうので、集めて微生物が分解をよく促すように多層の土=有機材料と混ぜ、45 日間保存します。コーヒーの枯葉はその場で分解されます。その期間に有機物は熟成され、肥料になります。
・こうしてできた肥料は農園に再利用しますが、1 シーズンあたり約3 平米分の肥料ができます。
・収穫されなかったコーヒーチェリー(少し枝に残る)は勝手に地面に落ちて実の部分が土へ戻り、種からは新しい芽が出るのですが、それと同じサイクルをしているということです。
おまけ。
ヘルマンがどれだけエコロジスタかというと、プラントの一角にうさぎとにわとり小屋があるのですが、その排泄物が集められる装置(写真の大きな黒い袋)がつながっていて、
そこで発生したメタンガスが手前の白いチューブから出るようになっているので、調理用のコンロに繋げて、なんと!BBQが!できるんです!
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